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『動機が大事』

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動機が大事




参戦拒否、徴兵拒否といった不戦主義はすべての宗教においてその是非が問われ続けている問題です。
私は常に道義心−魂の奥の神の声−が各自の行為の唯一の審判官であると説きます。
そしてその結果に対しては各自が責任を取らねばならないと主張します。
その論理から、母国を守るためには戦争も辞さず、必要とあらば敵を殺すことも一国民としての義務であると考える人を私は(とが)めません。
これが〔矛盾〕と受け止められて批判的な意見を頂戴(ちょうだい)することもあります。
しかし批判的意見を寄せられる方は、私がこれまで戦争というものをいかなる形においても非難し、
生命は神聖であり神のものであり、他人の物的生命を奪う権利は誰にもないという主張を掲げてきながら、
今度は「我が国は今や正義の戦に巻き込まれた。これは聖なる戦である。聖戦である」と宣言する者に加担しているとおっしゃります。
私はこれまでに述べてきたことを注意深く振り返って、謙虚に説いてきた素朴な真理と矛盾したことは何一つ述べていないと確信します。

今も私は、これまで述べてきた通りに、人を殺すことは間違いである、生命は神のものである、
地上で与えられた寿命を縮める権利は誰にもないと断言します。
前にも述べましたが、リンゴは熟せば自然に落ちます。もし熟さないうちにもぎ取れば、渋くて食べられません。
霊的身体も同じです。熟さないうちに、つまり、より大きな活動の世界への十分な準備が出来ないうちに肉体から離されれば、
たとえ神の慈悲により定められた埋め合わせの原理が働くとはいえ、
未熟のまま大きなハンディを背負ったまま新しい生活に入ることになります。

その観点から私は、これまで述べてきたことのすべてをここで(あらた)めて主張します。
これまでの教訓をいささかも変えるつもりはありません。記録されている私の言葉の一語一語を自信をもって支持します。
同時に私は、いかなる行為においてもその最後に考慮されるのは【動機】であることも説いています。

私は【国民兵役】の準備に国を挙げて一生懸命になっている時に、霊的真理を学んでおられる方から、
「こうした活動に対しての態度はどうあるべきでしょうか?」との質問を受けました。
私は「そうした活動が同胞への奉仕だと信ずる方は、それぞれの良心の命ずるがままの選択をなさることです」と申し上げました。
たとえ他国の戦争に巻き込まれ、戦争をする場合でも、それでもやはり戦争をしているという咎めは受けなくてはなりません。
もしも兵役に喜んで参加し、必要とあらば相手を殺すことも辞さない人が、
自分はそうすることにより世界のために貢献しているのだと確信しているのであれば、その人を咎める者は霊界には一人もいません。

動機が何であるか−これが最後の試練です。魂の中の静かな、そして小さな声が反発するが(ゆえ)に戦争に参加することを拒否する人と、
これが国家への奉公なのだという考えから、つまり一種の奉仕的精神から敵を殺す覚悟と同時に、
いざとなれば我が身を犠牲にする覚悟をもって戦地へ(おもむ)く人とは、霊界から見て上下の差はありません。
動機が最も優先的に考慮されるからです。動機が理想的理念と奉仕の精神に根ざしたものであれば、霊界の人達はけっして咎めません。

問い:それでも、やはり人を殺すということがなぜ正当化されるのか得心できないのだが?

答え:必要とあれば−地上的な言い方をすれば−相手を殺す覚悟の人は、
自分が殺されるかもしれないという危険を冒すのではないでしょうか。
どちらになるかは自分で選択できることではありません。相手を殺しても自分は絶対に殺されないと言える人はいないはずです。
もしかしたら自らの手で自らを殺さねばならない事態になるかも知れないのです。

私は決して地上世界がやっていることをこれでよいと思っている訳ではありません。
もし満足しておれば、失われてしまった教えを改めて説くようなことはしません。
私は地上世界は完全に道を間違えたという認識に立っています。
そこで、何とかしてまともな道に引き戻そうと努力しているところです。
しかし地上には幾十億と知れぬ人間がおり、みな成長段階も違えば進歩の速度も違い、進化の程度も違います。
すべての者に一様に当てはめられる型にはまった法則、物的ものさし、といったものはありません。
固定した尺度を用いれば、ある者には厳しすぎ、ある者には厳しさが足りないということになるからです。
殺人者に適用すべき法律は、およそ犯罪と縁のない人には何の係わりもありません。

かくして人間それぞれに、それまでに到達した成長段階があるということを考慮すれば、
それを無視して独断的に基準を設けることは許されないことになります。
前にも述べましたように、神は人間各自にけっして誤ることのない判断の指標、すなわち道義心というものを与えています。
その高さはそれまでに到達した成長の度合いにより定まります。
あなたが地上生活のいかなる段階にあろうと、いかなる事態に遭遇しようと、それがいかに複雑なものであろうと、
各自の取るべき手段を判断する力−それが自分にとって正しいか間違っているかを見分ける力は例外なく具わっています。
あなたにとっては正しいことも、他人にとっては間違ったことであることがあります。
なぜなら、あなたとその人とは霊的進化のレベルが違うからです。
徴兵を拒否した人の方が軍人より進化の程度において高いこともありますし低いこともあります。
しかし、互いに正反対の考えをしながらも、両方ともそれなりに正しいということも有りうるのです。

個々の人間が自分の動機に従って決断すればそれでよいのです。
すべての言い訳、すべての恐れや卑怯な考えを棄てて自分一人になりきり、
それまでの自分の霊的進化により培われた良心の声に耳を傾ければよいのです。
その声はけっして誤ることはありません。けっしてよろめくこともありません。瞬間的に回答を出します。
人間的煩悩によりその声がかき消されることはあります。押し殺されることはあります。無視されることもあります。
うまい理屈や弁解や言い訳でごまかされることもあります。しかし私は断言します。
良心はいつも正しい判決を下しています。それは魂に宿る神の声であり、あなたの絶対に誤ることのない判断基準なのです。

私に反論する人達は、私が自殺を容認している−臆病な自殺者を英雄または殉教者と同等に扱っていると非難します。
しかし、それは見当違いです。私は変えようにも変えられない自然法則の存在を認めると同時に、
同じ自殺行為でも進化の程度によりその意味が異なると観ています。
たしかに臆病であるがゆえに自殺という手段で責任を逃れようとする人が多くいます。
しかし、そんなことで責任は逃れられるものではありません。死んでもなお、その逃れようとした責任に直面させられます。
しかし同時に、一種の英雄的行為ともいうべき自殺−行為そのものは間違っていても、そうすることが愛する者にとって唯一の、
そして最良の方法であると信じて自分を犠牲にする人もいます。そういう人を卑怯な臆病者と同じレベルで扱ってはいけません。
大切なのは【動機】です。

問い:不治の病に苦しむ人がまわりの人達へ迷惑をかけたくないとの考えから自殺した。この場合はどうか?

答え:そうです。愛する妻に自由を与えてやりたいと思ったのかも知れません。
〔自分がいなくなれば妻が昼も夜もない看病から解放されるだろう〕−そう思ったのかも知れません。
その考えは間違いでした。真の愛はそれを重荷と思うようなものではないはずです。
ですが、その動機は誠実です。心がひがんでいたのかも知れません。
しかし、一生懸命に彼なりに考えたあげくに、そうすることが妻への最良の思いやりだと思って実行したことであって、
けっして弱虫だったのではありません。

問い:戦うことは正しいことだと思うか?

答え:私の回答に対し、あなた自身の全知識、全知性、全叡智を総動員して判断していただきたい。
私はつねづねたった一つのことをお教えしています。動機は何かということが一番大切だということです。
そうすることが誰かのためになるのであれば、いかなる分野であろうと、良心が正しいと命じるままに実行なさることです。
私個人の気持ちとしては生命を奪い合う行為はあってほしくないと思います。生命は神のものだからです。
しかし同時に私は、強い意志をもった人間を弱虫にするようなこと、勇気ある人間を卑劣な人間にするようなことは申し上げたくありません。
すべからく自分の魂の中の最高の声に従って行動なさればよいのです。
ただし、殺し合うことが唯一の解決手段ではないことを忘れないでください。

問い:例えば、もし暴漢が暴れ狂って手の施しようがない時は殺すという手段もやむを得ないのではないか?

答え:あなた方はよく、ある事態を仮定して、もしそうなった時はどうすべきかをお尋ねになります。
それに対して私がいつもお答えしていることは、
人として為すべきことをちゃんと行っていれば、そういう事態は起きなかったはずだということです。
人が従うべき理念から外れたことをしながら、それをどう思うかと問われても困るのです。
私にできることは、真理と叡智の原則をお教えし、それに私自身の体験から得た知識を加味して、
その原則に従ってさえいれば地上に平和と協調が訪れますと説くことだけです。
流血の手段によっても一時的な解決は得られますが、永続的な平和は得られません。

血に飢えて殺人を犯す人間がいます。一方、自由のための戦いで殺人行為をする人もいます。
そういう人の動機に私は異議は唱えません。どうして非難できましょう。
明日の子供のために戦っている今日の英雄ではありませんか。

私に出来ることは真理を述べることだけです。だからこそ政治的レッテルも宗教的ラベルも付けていないのです。
だからこそどの宗教組織にも属さず、いわゆる流派にも属さないのです。
人は自分の良心の命じる側に立って、それなりの役目を果たすべきです。
どちらの側にも−敵にも味方にも−立派な魂をもった人がいるものです。
ですから、動機は何か−それが一番大切です。
こうすることが人のためになるのだと信じて行うのであれば、それがその人にとっての正しい行為なのです。
知恵が足りないこともあるでしょう。しかし、動機さえ真剣であれば、その行為が咎められることはありません。
なぜなら魂にはその一番奥にある願望が刻み込まれていくものだからです。

私は常に地上の人間とは異なる基準で判断していることを忘れないでください。
私の基準は顕と幽のあらゆる生活の側面に適用できる永遠に不変の基準です。
時には悪が善を征服したかに思えることがあっても、それは一時的なものであり、
最後には神の意志がすべてを規制し、真の公正が行き渡ります。

その日その日の気まぐれな基準で判断している人達は、その時々の、
自分が一番大事だと思うものを必要以上に意識するために、判断が歪められがちなのです。
宇宙を大いなる霊が支配していることを忘れてはなりません。その法則がこの巨大な宇宙を支えているのです。
大霊は王の中の王なのです。
その王が生み神性を賦与(ふよ)した創造物が生みの親をどう理解しようと、いつかはその意志が成就されてまいります。

地上の無益な悲劇と絶望の有様を見て私が何の同情も感じていないと思っていただいては困ります。
今日の地上の事態を見て心を動かされなかったら、私はよほど浅はかな存在といえます。
しかし私はそうした地上の日常の変転きわまりないパノラマの背後に、永遠不変の原理を見ているのです。
どうかその事実から勇気を得てください。そこにインスピレーションと力とを見出し、
幾世紀にもわたって善意の人々が夢見てきた真理の実現のために働き続けてください。
その善意の人々は刻苦勉励してあなたの世代へ自由のたいまつを手渡してくれたのです。
今あなたはそのたいまつに新たな炎を灯さなくてはならないのです。














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